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突然の腹痛で来院した79歳男性[鑑別診断塾入門(33)]

No.5129 (2022年08月13日発行) P.7

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-08-12

最終更新日: 2022-08-10

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【現病歴】X-0日,朝7時頃,排便後に部屋に戻る途中で臍上部から背部に疼痛を自覚。その後,朝食はいつもの6割ほど食べた。11時,痛みが改善しないため,車いすでER受診。
<追加の情報>
疼くような持続痛。食事での増悪,嘔気・嘔吐はなし。X-3日が最終排便。
【既往歴】発症時期不明の右大腿頸部骨折後。高血圧。脂質異常症。前立腺肥大。X-28~18日の10日間,右腎盂腎炎で入院時にセフォタキシムで治療。入院時施行した腹部造影CTでは,右腎周囲の脂肪識濃度上昇のみであった。
【内服薬】アムロジピン5mg,ロスバスタチン2.5mg
【生活歴】飲酒・喫煙なし。
【バイタルサイン】BP 135/88mmHg(左右差なし),PR 100/min,RR 18/min, BT 36.4℃,SpO2 98%(RA),意識清明
【身体所見】腹部:筋性防御,圧痛なし。腸雑音正常。

 キーワード 
・突然発症
・嘔気・嘔吐がなく食事摂取が可能
・臍上部および背部の痛み
・血圧の左右差なし
・筋性防御なし
・腹部圧痛なし

考えられる診断は?

A. 大動脈解離
B. 上腸間膜動脈解離
C. 腹部大動脈瘤破裂
D. 十二指腸潰瘍穿孔
E. 急性膵炎

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