【質問者】
松山豪泰 山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野 教授
膀胱上皮内癌は粘膜内の平坦癌で,隆起癌に付随して広がる場合や単独発生する場合があります。いずれも高悪性度で,内視鏡的に同定不可能であり,予後不良です。近年,この臨床課題を改善すべく新たな内視鏡診断法が開発されました。
(1)NBI
ヘモグロビンに高吸収性の狭帯域化された2波長の光を用いて血管のコントラストを高め,正常粘膜と癌の違いを光学的に強調表示するNBIが開発されました1)。緑色光(530~550nm)で深部の血管は青色に,青色光(390~445nm)で粘膜表層の毛細血管は茶色に,強調表示されます1)。
NBIの機器はOLYMPUS社製VISERA ELITEシステムで,通常光とNBIの観察切り替えが即時に可能です2)。
NBIは主に消化器癌で有用性が示されています。膀胱癌では診断の有用性は示されていますが2),内視鏡手術での再発予後の成績は,進行中の無作為国際臨床試験の結果が待たれます3)。
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