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痙攣重積[私の治療]

No.5145 (2022年12月03日発行) P.49

内野俊平 (東京大学医学部附属病院小児科)

登録日: 2022-11-30

最終更新日: 2022-11-29

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  • 痙攣重積〔または痙攣性てんかん重積状態(status epilepticus)〕とは,「痙攣発作がある程度の長さ以上に続くもの(連続型重積),または,短い発作でも反復し30分以上にわたって発作間欠期に意識の回復がないもの(群発型重積)」である。
    最も一般的な痙攣である強直間代発作では,5分以上持続する場合は自然に停止しにくく,30分以上持続すると脳に長期的な影響を残すとされる。
    原因はてんかん,熱性痙攣,急性脳炎・脳症,脳血管障害,低血糖などの代謝性疾患,中毒など様々である。

    ▶診断のポイント

    痙攣が5分以上持続する場合は自然に停止しないことが多いので,痙攣重積として速やかに対応を開始する。一見,痙攣が停止したようにみえても完全には停止していないことも多く,意識障害,頻脈,筋緊張亢進,瞳孔散大などの所見を参考に注意深く判定する。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    呼吸などの全身状態を安定させた上で,可能な限り早く痙攣を停止させることが重要である。抗痙攣薬の選択にあたっては,まず効果発現が早く,副作用が比較的少ない薬剤を投与し,無効の場合は,より抗痙攣作用の強い薬剤を順次投与する。抗痙攣作用の強いものほど,呼吸・循環抑制などの副作用に注意が必要である。

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