【質問者】
苛原 誠 つるぎ町立半田病院小児科医長
【頭蓋骨縫合早期癒合症との鑑別が重要で,斜頭・短頭の重症例は紹介。軽症は家庭で理学療法】
変形性斜頭症・短頭症は,胎内での圧迫や分娩時の産道通過に伴う変形,出生後の向き癖などによる頭蓋変形です。重症度分類としてArgenta分類があり,斜頭症ではTypeⅠ:片側の平坦化,TypeⅡ:耳介の前方偏位,TypeⅢ:前額の前方突出,TypeⅣ:頬部の突出,TypeⅤ:対側の後頭部の膨隆,短頭症ではTypeⅠ:後頭部の平坦化,TypeⅡ:後頭部の両外側への膨隆,TypeⅢ:側頭前頭部の両外側への膨隆,後頭部の増高となっています。
斜頭の場合は,cranial asymmetry(左右30度での対角線の差)で,軽症6~8mm,中等症9~12 mm,重症13~16mm,最重症17mm以上です。短頭の場合は,cephalic index=横径/縦径×100で95~101%が短頭,101%以上で超短頭とされています。中等症以下はおおむね自然改善しますが,cranial asymmetry 15mm以上,cephalic index 100%以上を目安に専門医に紹介しています。
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