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ヘルメット療法による乳児の頭の矯正治療について

No.5152 (2023年01月21日発行) P.52

苛原 誠 (つるぎ町立半田病院小児科医長)

須賀健一 (徳島大学病院地域小児科診療部特任講師)

登録日: 2023-01-20

最終更新日: 2023-01-17

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  • 近年,ヘルメットによって頭の形を矯正する治療が注目されているように感じています。乳幼児健診において頭の形について相談されることも多いのですが,当院では専門の医師がいません。専門医への紹介はどのような場合にしたらよいのか,またそれまではどのように指導したらよいのか,小児科医としてできることがあれば教えて下さい。
    徳島大学病院・須賀健一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    苛原 誠 つるぎ町立半田病院小児科医長


    【回答】

     【頭蓋骨縫合早期癒合症との鑑別が重要で,斜頭・短頭の重症例は紹介。軽症は家庭で理学療法】

    変形性斜頭症・短頭症は,胎内での圧迫や分娩時の産道通過に伴う変形,出生後の向き癖などによる頭蓋変形です。重症度分類としてArgenta分類があり,斜頭症ではTypeⅠ:片側の平坦化,TypeⅡ:耳介の前方偏位,TypeⅢ:前額の前方突出,TypeⅣ:頬部の突出,TypeⅤ:対側の後頭部の膨隆,短頭症ではTypeⅠ:後頭部の平坦化,TypeⅡ:後頭部の両外側への膨隆,TypeⅢ:側頭前頭部の両外側への膨隆,後頭部の増高となっています。

    斜頭の場合は,cranial asymmetry(左右30度での対角線の差)で,軽症6~8mm,中等症9~12 mm,重症13~16mm,最重症17mm以上です。短頭の場合は,cephalic index=横径/縦径×100で95~101%が短頭,101%以上で超短頭とされています。中等症以下はおおむね自然改善しますが,cranial asymmetry 15mm以上,cephalic index 100%以上を目安に専門医に紹介しています。

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