【質問者】貴島晴彦 大阪大学大学院医学研究科脳神経外科教授
【有糸分裂中の細胞を標的とし,腫瘍治療電場を印加する新しい治療法である】
交流電場腫瘍治療システムは,有糸分裂中の細胞を標的とした2方向の腫瘍治療電場(tumor treating fields:TTF)を順次印加する治療法です。作用機序として,脳内に発生した交流電場が,電荷を帯びた細胞成分に物理的な力を及ぼし,腫瘍細胞にみられる急速な細胞分裂を阻害し,アポトーシス(細胞死)を誘導することで,腫瘍細胞の成長を抑制すると考えられています。
この医療機器は,頭皮上に貼付するアレイと呼ばれる絶縁性のセラミックディスクが付いた粘着シートと,ジェネレーターと呼ばれる交流電場を発生させる機器からなります。両者は接続コネクターを通じて接続され,電源アダプターあるいはバッテリーで作動します。
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