【質問者】宮崎香奈 三重大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学講師
【有用性を示唆する報告がなされているが,第Ⅲ相試験による検証が必要である】
抗CD20抗体医薬の応用以来,B細胞リンパ腫の治療成績は向上し,新規抗体医薬や免疫細胞療法などの開発により,さらなる治療成績の向上が見込まれる一方で,T細胞リンパ腫に対しては,新規治療薬が開発されてきているものの,いまだその治療成績は十分ではありません。
末梢性T細胞リンパ腫は,成熟T細胞に由来するT細胞リンパ腫の総称です。欧米ではWHO分類2017における①末梢性T細胞リンパ腫・非特定型,②血管免疫芽球性T細胞リンパ腫,③未分化大細胞リンパ腫・ALK陽性/陰性の3つが主要病型ですが,わが国ではHTLV-1感染に起因する成人T細胞白血病・リンパ腫が多く認められることが特徴です。治療については,予後が比較的良好である未分化大細胞リンパ腫・ALK陽性と異なる体系で治療を行う成人T細胞白血病・リンパ腫は,ここで言及する末梢性T細胞リンパ腫とは分けて考えます。
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