【質問者】井上真奈美 国立がん研究センター がん対策研究所副所長
【身体活動は脳心血管病,一部のがん,骨粗鬆症,うつ病などを予防し,健康寿命を延伸させる】
身体活動量が多い人では,死亡率が低く,糖尿病,虚血性心疾患,脳血管疾患,がん,骨粗鬆症,うつ病などの罹患率の低いことが報告されています1)。がんの部位別には大腸がん,乳がんの予防効果が確実とされています。一般に疫学研究では罹患率の高い疾病からエビデンスが出てきますので,今後は罹患率が低い部位のがんについても検討が進むことでしょう。また,高齢者では身体機能を維持・向上する効果があり,介護予防,QOLの向上,健康寿命の延伸が期待できます。認知機能低下の予防効果については,WHOの身体活動ガイドラインも含めて「効果あり」と記載されている資料が多数ありますが,学術的にはまだ議論の残る段階です。
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