厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会は5月28日、アラビア半島諸国を中心に感染が拡大している中東呼吸器症候群(MERS)を二類感染症に指定することを了承した。同省は秋の臨時国会に感染症法改正案を提出する方針。
MERSの国内での感染例は報告されていないが、4月以降、サウジアラビアで医療機関における二次感染が深刻化しており、オランダやマレーシアなどでは輸入症例が報告されている。
これを踏まえ同省は、改正感染症法の施行までの期間も、感染疑いを含む患者への入院勧告など二類と同等の措置を可能とするため、MERSを政令で「指定感染症」および「検疫感染症」に定めるとしている。
世界のMERSの累計感染者数は3日時点で688人、うち282人が死亡している。