国内の抗インフルエンザ薬剤耐性株サーベイランスで初めて、オセルタミビルとペラミビルに高い耐性を示し、さらに、ザナミビルとラニナミビルに対しても感受性が低下したA(H1N1)pdm09ウイルスが広島県で検出された。国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターが5日に明らかにした。
この二重耐性変異ウイルスは、2013/14シーズンに札幌市を中心に地域流行した耐性ウイルスとは由来が異なる。オセルタミビルに対して約1万2000倍、ペラミビルに対して約5500倍、ザナミビルとラニナミビルに対しても約20倍感受性が低下している。
広島県の症例は70代の女性で、3月31日にインフルエンザを発症し、ペラミビルを投与されたが効果が得られず、4月4日にラニナミビルを投与後に軽快した。
同センターは、「現時点ではこのウイルスが流行する可能性は低いと考えられるが、今後もこのような高度耐性ウイルスの出現には注意が必要」としている。