インドレントATLについてわが国においては無治療経過観察が推奨されており,アグレッシブATLへの進行の有無のモニタリング以外に,日和見感染症のリスクへの対応も必要かもしれないと考えます。
この点について,佐世保総合医療センター・牧山純也先生にご解説をお願いいたします。
【質問者】藤 重夫 大阪国際がんセンター血液内科副部長
【インドレントATLにおいても日和見感染症への対応が重要である】
ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型(HTLV-1)キャリアや成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)患者で,ニューモシスチス肺炎,カンジダ感染症,サイトメガロウイルス感染症,そして糞線虫症などといった日和見感染症が合併することが報告されています1)2)。HTLV-1キャリアやATL患者にこのような日和見感染症が合併する理由として,HTLV-1感染によるCD4陽性Tリンパ球機能低下3)4),細胞傷害性Tリンパ球上にPD-1およびPD-L1が発現し,病原体に対する宿主防御を抑制していること5)などが報告されています。
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