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来年1月施行、診断したがん情報を翌年末までに報告 - 全病院が対象 [全国がん登録制度]

No.4711 (2014年08月09日発行) P.7

登録日: 2014-08-09

最終更新日: 2016-11-17

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【概要】来年1月から始まる「全国がん登録制度」で、すべての病院に届出を義務づけるがんの種類や治療内容などを定める省令案が7月30日、厚生労働省の有識者会議で概ね了承された。

この有識者会議は、「全国がん登録制度」の詳細を定める政省令について検討する「がん登録部会」(部会長=辻一郎東北大院教授)。7月30日に初会合を開き、省令案を検討した上で了承した。

●院内がん登録、地域がん登録とは別制度
現在がんの罹患情報を把握する制度には、がん診療連携拠点病院など一部の医療機関が行っている「院内がん登録」と、都道府県が実施している「地域がん登録」のほか、一部学会が行っている臓器別のがん登録がある。
一方、全国がん登録制度は、昨年12月に成立した「がん登録推進法」を受けて来年1月に始まる国の制度で、すべての病院と希望する診療所に対し、診断したがん患者の情報を都道府県に届け出ることを義務づけるもの。国立がん研究センターが都道府県に届け出られた情報を基に全国データベースを整備し、がん対策のための調査研究に活用する。データの保存期間は登録から100年間。

●種類、発見の経緯、治療内容などを届出
届出対象となる情報のうち主なものは、患者の住所、氏名、年齢、性別のほか、別掲に示した通り。制度の対象となる医療機関には、これらの情報について、がん患者の初回診断を行った日の翌年末までに、都道府県に報告することが義務づけられる。
治療内容については、(1)外科的治療、(2)鏡視下治療、(3)内視鏡的治療、(4)放射線治療、(5)化学療法、(6)内分泌療法、(7)その他─の従来広く実施されてきた「古典的な治療」の有無を報告。(1)(2)(3)では、切除の範囲と目的も併せて報告する。化学療法との判別が付けがたい免疫療法など「新規導入の治療」は、(7)の割合で把握することとし、独立した形での届出対象には含めないこととされた。
厚労省は、「新規導入の治療」の指す具体的な内容など、届出内容の詳細な基準については、今後策定する指針やガイドラインで示すとしている。
厚労省は次回会合で、制度における「がん」の定義などを定める政令案について検討する方針。9月までに登録に関する制度の大枠が決定する見通しだ。

【記者の眼】全国がん登録制度における届出対象情報は、院内がん登録や地域がん登録を参考にしているが、細部で異なる部分が多々ある。来年1月の新制度開始に当たっては、がん登録を先行実施してきた病院も含めて混乱が生じないよう、ガイドラインと指針の周知が求められる。(F)

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