国立がん研究センターは18日、血液中のマイクロRNAの測定を通じて、臨床現場で癌や認知症を早期発見する診断システムの研究・開発に着手したと発表した。
診断システムで早期発見を目指す癌は、胃癌、食道癌、肺癌、肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、膀胱癌、乳癌、肉腫、神経膠腫─の13種類。
経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構、東レなどと連携し、産官学でプロジェクトを進める。
研究期間は5年間。研究責任者は、国がんの落谷孝広分子細胞治療研究分野長が務める。
研究では、国がんおよび国立長寿医療研究センターのバイオバンクに保存されている検体の血清から、疾患によって量や種類が変化するマイクロRNAの発現状況を手掛かりに、癌やアルツハイマー型認知症などの疾患マーカーを探索、疾患マーカーの横断的解析が可能なデータベースを構築する。最終的には、臨床現場で血液中のマイクロRNAの抽出から検出までを自動で行い、疾患を簡易かつ短時間で発見できる診断システムの開発を目指す。