来年10月にスタートする医療事故調査制度の手順を定めるガイドラインについて検討する厚労科研「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」の第4回会議が8月20日に非公開で開かれ、調査報告書に再発防止策を記載するかどうかで賛否が割れた。
同日は、調査結果をまとめた報告書の記載事項や遺族への説明のあり方について協議した。
会議後に会見した研究班主査の木村壮介氏(日本医療安全調査機構中央事務局長)は、再発防止策を記載することの是非について、「後から振り返って気付くこともあるが、報告書に記載すると、それをしなかったことが裁判で問題になるおそれがあることと、再発防止策は、多数の事例を集積して分かるという2点の観点で、報告書に書かないほうがいいとの意見が出た」と議論の模様を紹介。
遺族への説明に関しては、報告書を渡すべきとの意見の一方で、報告書は渡さずに調査結果を診療録に記載して開示すればよいとの意見が出たという。木村氏は「報告書を渡すことが基本だが、訴訟利用を懸念して、出さなくてもいいとの意見が出た」と説明した。
再発防止策記載の是非と遺族への説明については、引き続き検討する。