ノーベルファーマは3月26日、自己免疫性肺胞蛋白症治療薬「サルグマリン吸入用250μg」(一般名:サルグラモスチム)の薬事承認を取得したと発表した。
肺胞蛋白症は、肺に蛋白や脂肪からなる老廃物が溜まり、徐々に呼吸困難が進行する難病。自己免疫性肺胞蛋白症は、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)に対する自己抗体の過剰産生により老廃物の分解が阻害されて発症するもので、肺胞蛋白症の9割を占めるとされている(国内患者数:推定3300人)。
サルグマリンは、GM-CSFを酵母により産生させたサルグラモスチムを主成分とする吸入剤。新潟大病院高度医療開発センターの中田光特任教授を主任研究者とする全国12病院の医師グループが2016~17年に医師主導治験を実施し、ノーベルファーマが試験データをまとめて2023年6月に承認申請を行った。
これまで自己免疫性肺胞蛋白症の治療法は、侵襲性の高い全肺洗浄または区域肺洗浄しかなく、薬物療法の承認は世界初となる。中田特任教授のグループは、GM-CSFを吸入する治療法は、肺の感染防御能の向上が期待されることから「非結核性抗酸菌症や慢性下気道感染症などの肺難治性感染症の治療につながる可能性も考えられる」としている。
「サルグマリン」の用法・用量
125μgを1日2回、ネブライザーを用いて7日間連日吸入投与し、7日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す(12クールを目安に有効性・安全性を評価し、投与継続について判断)