【質問者】岡藤郁夫 神戸市立医療センター中央市民病院小児科医長
【子どものアドボカシー実践の第一歩は「子どもの声を拾い上げる」意識を持つことである】
アドボカシーの語源はラテン語advocare(“ad”「~へ」+“vocare”「呼び出す」)で,「(証人・弁護士などとして)呼ぶ」という意味があります。転じて「代弁すること」「権利擁護」と訳されることが多いです。では,子どものアドボカシーとは何でしょうか。
日本小児科学会は,小児科専門医の医師像の5つの視点の1つに「子どもの代弁者」を置いていますが,何をしてよいのかわかりません。そこで,米国小児科学会(American Academy of Pediatrics:AAP)のAdvocacy Guideに沿って,子どものアドボカシーの実践方法について説明します。
AAPによると,アドボカシーは「変えなければならない問題があることを前提とし,その変化を促し,効果的にする方法」であり,「患者のために発信すること」です。そして,アドボカシーを「個別」「地域」「州・連邦」の3段階に階層化しています。
残り716文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する