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特発性血小板減少性紫斑病/(一次性)免疫性血小板減少症[私の治療]

No.5226 (2024年06月22日発行) P.48

柏木浩和 (大阪府赤十字血液センター,大阪大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学招へい教授)

登録日: 2024-06-21

最終更新日: 2024-06-18

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  • 特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)は,抗血小板自己抗体を中心とする免疫的機序により,血小板破壊・貪食の亢進および血小板産生の障害が生じ,血小板減少をきたす自己免疫疾患である。5歳以下の小児,若い女性および高齢者に多い。成人においては慢性化することが多い。近年,ITPを一次性免疫性血小板減少症と呼ぶことが多い。

    ▶診断のポイント

    基本的に除外診断であり,血小板減少を認めるが,赤血球および白血球系には異常を認めず,血小板減少をきたすその他の疾患・要因を認めない場合にITPと診断する。再生不良性貧血などの低形成性血小板減少との鑑別に,網状血小板比率(RP%)あるいは幼若血小板比率(IPF%)測定および血漿トロンボポエチン(TPO)濃度測定が有用である。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    成人では「成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド2019年版」に沿った治療を行う。ITPと診断されれば最初にピロリ菌感染の有無を検討し,陽性であれば除菌療法を行う。ピロリ菌陰性あるいは除菌無効例においては,血小板数および出血症状に応じて治療適応を判断する。通常,血小板数2万~3万/μL以下もしくは強い出血症状を認める場合に治療適応となる。

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