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身体症状症[私の治療]

No.5226 (2024年06月22日発行) P.52

須藤信行 (九州大学大学院医学研究院心身医学教授)

登録日: 2024-06-25

最終更新日: 2024-06-18

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  • 身体症状症とは,様々な苦痛を伴う身体症状が長期に持続する疾患である。その病因として遺伝的要因や環境的要因などが示唆されているが,詳細は不明である。

    ▶診断のポイント

    身体症状症の診断には,DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)の診断基準(表)1)を用いて診断する。

    具体的な症状としては,疼痛症状(頭痛,腰痛,背部痛,関節痛),全身症状(疲労,倦怠感など),消化器症状(嘔気,腹部膨満感,腹痛,下痢),循環器症状(胸痛,動悸),呼吸器症状(呼吸苦),神経症状(めまい,しびれ)などがある。DSM-5では症状が医学的に説明可能かどうかは問われなくなったため,理論上は身体疾患で出現しうるすべての症状が身体症状症の症状となりうる。また身体症状症は,抑うつや不安を合併する割合が高い。その評価にはうつ病・うつ状態自己評価尺度(center for epidemiological studies depression)や状態-特性不安尺度(state-trait anxiety inventory)などの自己記入式質問紙が有効である。

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