今回は【後編】として,「左脚前枝ブロック」(LAFB)のより実践的な話をしたいと思います。前回も述べましたが,初学者が苦手にすることも多い所見です。したがって,事前にもう一度【前編】を読み直して頂くと,理解がスムーズになるでしょう。
4つの診断基準を掲げたものの,おおむね初めの3つが重要でした。まず,何と言ってもQRS電気軸が「高度の左軸偏位」(-45゜~-90゜)を示すことがポイントです。残る2つは,Ⅰ,aVlで「qR型」(大きなR波),そして,Ⅱ,Ⅲ,aVfで「rS型」(深いS波)のQRS波形を呈することが条件でしたね*1。
*1 “イチ・エル”(側壁誘導)と“ニ・サン・エフ”(下壁誘導)をそれぞれ波形のよく似た“きょうだい誘導”とみなすのでした。