日本病院会は5月27日、終末期医療に関する見解を発表し、医療チームが根治できないと判断した患者で延命措置の差し控え・中止を提案するケースとして、具体的な6つの事例を示した。
見解で提示されたのは、(1)高齢・寝たきりで認知症が進み、意思の疎通がとれない、(2)高齢で自力での経口摂取が不能、(3)胃瘻を造設されたが経口摂取できるまで回復せず、意思の疎通がとれない、(4)高齢・誤飲に伴う肺炎で意識がなく回復が困難、(5)がん末期で生命延長を望める有効な治療法がない、(6)脳血管障害で意識の回復が望めない─の6つのケース。
終末期の判定は複数の職種から構成される医療チームで行うとし、本人の意思が確認できない場合は、家族などから得られる本人の推定意思を尊重し、医療チームが最善の治療を行うとした。
超党派の議員連盟による尊厳死に関する法案については、2人以上の医師が延命治療の不開始・中止の判定を行えば免責されるとしている点を「国民の理解を得られない」と問題視している。