民間有識者でつくる日本創成会議(増田寛也座長)は13日、『高齢者の終末期医療を考える』を発刊した。超高齢社会を迎え、国民的議論の必要性を指摘した。
冊子は有識者からのヒアリング結果を、(1)長寿社会における医療、(2)医療倫理の視点、(3)在宅医療の現場、(4)諸外国の高齢者終末期医療─の4章でまとめている。
このうち2章では、最期の段階の末梢点滴が医学ニーズではなく「点滴ボトルの下がった風景が家族と医療・介護スタッフの情緒をケアしている」と指摘。「風景づくりのための末梢点滴はもうやめませんか」と呼びかけた。
3章では、24時間対応で看取りを行う「在宅緩和ケア専門診療所」の制度化を提案。
4章では、欧米豪では高齢者が口から食べられなくなっても点滴や経管栄養を行わないことを紹介し、理由として「死生観が明確」「倫理」「医療費抑制」を挙げた。