小頭症などとの関連が疑われることから世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を発表した蚊媒介性感染症のジカウイルス感染症(ジカ熱)に関して、国立国際医療研究センターと国立感染症研究所が9日、説明会を開いた。
ジカ熱の輸入症例の診療経験を持つ国際医療研究センターの忽那賢志氏は、「ジカ熱の臨床症状はデング熱と似ており、デング熱、チクングニア熱、ジカ熱は流行地域の多くが重なっている」とした上で、「臨床医は渡航歴と発熱、皮疹、結膜炎などの症状からデング熱を疑ったらジカ熱も同時に疑い、すぐに保健所へ連絡して早期診断につなげてほしい」と述べた。
検査体制について、感染研の高崎智彦ウイルス第一部第二室長は「感染研から全国の地方衛生研究所・検疫所に感度の良いRT-PC
Rプライマーとプローブが送付される。3月上旬には全国で迅速な検査が可能になる」と説明した。
ジカ熱はアジア、南太平洋、中南米諸国で感染拡大が続いている。媒介蚊はネッタイシマカと、日本にも生息するヒトスジシマカ。