厚生労働省は3日、「アレルギー疾患対策推進協議会」(会長=斎藤博久国立成育医療研究センター副所長)を設置し、国として取り組むアレルギー疾患対策の基本指針策定に向けた検討を始めた。
同協議会は、昨年12月に施行されたアレルギー疾患対策基本法に基づき設置されたもので、アレルギー科・内科・小児科・皮膚科などの専門医、患者団体、自治体の代表らが参加する。
基本指針は、アレルギー疾患医療体制の均てん化、標準治療に関する知識の普及啓発、疫学研究の方向性などが柱となる見込み。厚労省は、各アレルギー疾患の治療の現状についてヒアリングを行い、今夏をメドに取りまとめて告示する予定。
初会合では、小児アレルギーの患者団体代表の栗山真理子委員が現在のアレルギー疾患の診療環境について、「最初にかかった医師によって人生が左右される」と述べ、専門医と非専門医との間の「治療格差」を指摘。専門医の委員からも「ガイドラインから大きく外れた治療が一部で実施されている」など、標準治療の普及が十分でない点を問題視する声が上がった。