世界保健機関(WHO)でたばこ対策のトップを務めるダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長が22日、厚労省内で講演し、東京五輪の開催に向けて「煙のない都市」の実現を訴えた。
ベッチャー氏はWHOと国際オリンピック委員会が2010年にたばこのない五輪を推進することで合意したことや、2014年のソチ冬季五輪はたばこの煙のない12番目の五輪だったことを紹介。さらに、近年の五輪開催都市のうち、北京(2008年)とソチは、開催時にはなかった国のたばこ対策の法令が、五輪で実施した対策に基づいて、その後制定されたと説明。その上で、「たばこ対策を推進する上で重要なのは強い政治的意志」と強調。「日本でも、東京、国(のたばこ対策関係者)と政治家が協力して煙のない都市の実現を進めることが必要」と話した。
東京都では昨年、受動喫煙防止など五輪に向けたたばこ対策の議論がまとまらず、先送りされた経緯がある。