自民党の厚生労働部会(部会長=古川俊治参院議員)は20日、がん対策基本法の改正案を了承した。議員立法で今国会に提出し、成立を目指す。がん対策基本法は2006年に成立。それから10年が経ち、初めての改正となる。
改正案では、がん患者の雇用継続と、学業と治療の両立に関する規定を新設した。雇用に関しては事業主の責務として、「がん患者の雇用の継続等に配慮するよう努める」との規定を設けたほか、国と地方公共団体に対しては、「事業主に対するがん患者の就労に関する啓発および知識の普及その他の必要な施策を講ずる」とした。学業と治療の両立に向けても、国と地方公共団体が必要な施策を講ずるとしている。
このほか改正案は、緩和ケアが充実するよう改正。患者の療養生活の質の維持向上に係る規定に「緩和ケアが診断の時から適切に提供されるようにする」との文言を追加したほか、緩和ケアに携わる医療従事者の育成を明記した。
がん予防の規定に関しては、「がんの原因となるおそれのある感染症に関する啓発および知識の普及」を追加した。