【Q】
心房細動における抗凝固療法については新規抗凝固薬を含め,既に有効性を示すデータが示されています。しかし,出血リスクや高齢者への投与など問題点も指摘され,結論は出ていないところです。一方,欧米で経皮的に左心耳を閉鎖することで脳梗塞のリスク低減および抗凝固薬の中止が可能との発表があります。生涯にわたる抗凝固薬の投与と1~2時間の経皮的治療とを比較すると,結論は自明のように思われますが,この治療の特徴と現状について,東邦大学医療センター大橋病院・原 英彦先生のご教示をお願いします。【A】
非弁膜症性心房細動患者における経皮的左心耳閉鎖療法は,2001年から欧州で開始されました。その結果,閉鎖栓を用いて左心耳を閉じるという方法がワルファリンと同様に脳梗塞予防効果を示すというデータが出されてきました(ワルファリンは中止可能となり,抗血小板薬1剤のみ服用)。