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シリコンインプラントによる乳房再建とインフォームドコンセント

No.4758 (2015年07月04日発行) P.64

渡邊知映 (上智大学総合人間科学部看護学科准教授)

登録日: 2015-07-04

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

2013年7月より,乳房再建手術に使用するシリコンインプラントへの保険適用が開始され,患者さんの費用面での負担が大きく軽減されることとなりました。今後,再建手術を希望する患者さんがますます増加すると思われます。患者さんへのインフォームドコンセントではどのような注意が必要でしょうか。上智大学・渡邊知映先生のご教示をお願いします。
【質問者】
小杉奈津子:昭和大学病院乳腺外科
明石定子:昭和大学江東豊洲病院乳腺外科准教授

【A】

人工物を用いた乳房再建術が保険適用されたことにより,今後,乳房再建術を受ける患者さんは増加することが予測されます。その一方で,術前の限られた時間の中での情報提供の限界や形成外科との連携が課題として挙げられます。
乳房再建術を受けた乳癌患者に対する調査では,乳房再建術に対する術前の不安は,術後の整容性に関する内容が最も多く,続いて疼痛,合併症に関する不安が高いことが指摘されました。また,若いほど術後の整容性に関するニーズが高い傾向があります。さらに,情報提供の方法は,口頭のみに比べて,実際の術後の写真などを用いた方法が説明の満足度が高いことが明らかになりました。
これらの結果から,私は実際の術後の写真や乳房再建CGを活用しiPadを用いて説明を行う,乳房再建術を受ける患者さんへの意思決定支援ツールを現在,開発しています。
乳房再建術に関する術式決定の際には,術後の乳房のイメージを共有することが重要であり,さらに,合併症や術後の生活について個々の患者さんのニーズを見きわめながら情報提供することが重要であると考えます。

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