【Q】
羞明や霧視を訴えて来院し,原因が特定できないまま完治する虹彩炎はよく経験します。しかし,時に治療に抵抗し,ベーチェット病に発展することがあります。ベーチェット病は比較的若年者に好発する,失明率の高い難治性炎症性疾患です。口腔症状,皮膚症状,外陰部症状と眼症状が4主症状ですが,その原因はいまだ不明な部分が多いと思います。新しい生物学的製剤の有効性など治療法の進歩,病因探求の現状について,北海道医療大学・北市伸義先生のご教示をお願いします。【A】
ベーチェット病は日本から地中海に至る,ユーラシア大陸の北緯30~45度に多発地域が偏在しており,その分布から「シルクロード病」の別名を持ちます。私たちの世界14カ国25施設の調査では,発症時期は20~30歳代が多く,約23%が失明という難治性炎症性疾患です。
▼ 大野重昭,他:日眼会誌. 2012;116(4):394-426.