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抗精神病薬使用中患者への救急用医薬品

No.4702 (2014年06月07日発行) P.67

鈴木映二 (国際医療福祉大学熱海病院心療・精神科教授)

登録日: 2014-06-07

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

勤務している精神病院において,外来やCT室などに救急用医薬品を準備する予定である。
しかし,ボスミンRは,抗精神病薬と併用禁忌となっている。当院入院患者の大半に抗精神病薬を投与しているが,このように併用禁忌がある患者に対してどのような救急用医薬品を準備したらよいか。 (山形県T)

【A】

ノルエピネフリン/ノルアドレナリン(ノルアドリナリンR )を用意するのがよいと思う。
エピネフリン/アドレナリン(ボスミン)が,ほとんどの抗精神病薬と併用禁忌である理由は,以下の通りである。
エピネフリンはα受容体とβ受容体に作用するが,通常はα優位に作用して血圧を上げる。しかし,抗精神病薬にはα受容体遮断作用があるため,エピネフリンと抗精神病薬の併用時にはエピネフリンがβ受容体優位に作用して血圧を下げてしまう危険性がある。そのため,代用としてノルエピネフリン(ノルアドレナリン)を用いる。これを勧める理由は,ノルエピネフリンはβ作用が弱いことから,抗精神病薬と併用しても血圧が下がる危険性が低いためである。
ちなみに,ほとんどの抗精神病薬がエピネフリンと併用禁忌であるが,以下は例外である。
 ・ ベンズアミド系のスルトプリド(バルネチールR)
 ・ スルピリド(ドグマチールR,アビリットR,ミラドールRなど)
 ・ チアプリド(グラマリールR)
 ・ ネモナプリド(エミレースR)

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