【Q】
緑内障患者に対する抗コリン薬使用は,開放性の場合は問題にならないが,閉塞性の場合は不可というのが最近の知見であると理解しているのですが,眼科や内科の医師の中でも様々な見解があるようです。どのように考えるべきでしょうか。 (群馬県 Y)【A】
緑内障患者に対する抗コリン薬の使用は,多くの医師に誤解されています。結論から言えば,開放性(開放隅角緑内障)はもちろんのこと,閉塞性(閉塞隅角緑内障)を含め,ほとんどの緑内障症例に対して抗コリン薬を使用することは問題になりません。特に白内障手術を既に受けている症例であれば基本的に問題はありません。抗コリン薬の使用が問題になるのは,閉塞隅角緑内障および原発閉塞隅角症(緑内障性視神経障害を起こしていない原発閉塞隅角緑内障の前駆状態)の症例で,白内障手術をまだ受けておらず,さらにレーザー虹彩切開術などの治療も受けていない症例と,一部の特殊な重症例のみです。