【Q】
様々な肺血管拡張薬が登場し,肺高血圧症の治療にも幅が出てくるようになりました。一方,左心不全に伴う肺高血圧症はあくまで左心不全の治療が第一選択ですが,最適治療を行っても左心不全の状況に釣り合わない肺高血圧が残存する場合,肺血管拡張薬はどのように活用すべきでしょうか。肺血管抵抗の減少に伴い左室の前負荷が増し,むしろ肺うっ血を助長する危惧がありますが,いかがでしょうか。久留米大学・福本義弘先生のご教示をお願いします。【A】
左心不全に伴う肺高血圧症は,肺高血圧症の中で最も頻度が高いとされており,駆出率の低下した心不全,保持された心不全,弁膜症のいずれも肺高血圧症をきたします。肺高血圧症の合併は左心不全患者の予後不良因子であり,何らかの治療介入が必要です。