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アトピー性皮膚炎の外用療法 2014年

No.4693 (2014年04月05日発行) P.59

片山一朗 (大阪大学皮膚科教授)

登録日: 2014-04-05

最終更新日: 2016-10-26

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アトピー性皮膚炎(AD)の診療ガイドラインには日本皮膚科学会,日本アレルギー学会の2つがあり,後者は3年ごとに改訂されている(文献1~3)。
皮膚炎の発症予防や寛解維持には,個々の患者で悪化因子を認識させることが重要である。患者の生活環境の整備,ライフスタイルの見直し,特に汗対策やペットの飼育,ストレス回避などの指導を強化するのみで驚くほどの皮膚炎の改善が見られる。ADではフィラグリン遺伝子変異などと関連して,皮膚の水分保持能の低下,痒みの閾値の低下,易感染性などの機能異常が生じ,角層バリア機能の低下が見られる。
これらの異常を補正(スキンケア)することは重要であり,その中心は皮膚の清潔と保湿剤の使用である。ステロイド外用薬は皮膚症状の程度と年齢に応じて適切なランクのものを使用する(文献1~3)。
症状の改善に応じたランクダウン,あるいは土・日曜日のみ外用するweekend therapyなどが推奨されている。タクロリムス軟膏(プロトピックR軟膏)は,16歳以上に用いる軟膏0.1%と2~15歳に使用可能な軟膏0.03%小児用がある。欧米のガイドラインではタクロリムスなどの免疫抑制軟膏の全身への使用,早期介入による再燃予防(proactive療法)(文献1)の有効性が報告されている。

【文献】


1) 片山一朗, 他編:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2012. 日本アレルギー学会アトピー性皮膚炎ガイドライン専門部会, 監. 協和企画, 2012.
2) Katayama I, et al:Allergol Int. 2011;60◆(2):205-20.
3) 古江増隆, 他:日皮会誌. 2009;119(8):1515-34.

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