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第二期 特定健診・特定保健指導の開始

No.4703 (2014年06月14日発行) P.61

羽山実奈 (大阪大学公衆衛生学教授)

磯 博康 (大阪大学公衆衛生学教授)

登録日: 2014-06-14

最終更新日: 2016-10-26

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医療制度改革の一環として,平成20(2008)年度以降,特定健診・保健指導が実施されてきた。制度施行から5年が経過し,25年度からの第二期計画の実施期間では,運用の改善や内容の見直しがなされた。
非肥満者への対応の記載
特定保健指導対象者選定の第一基準である腹囲は,自ら測ることができることから,国民運動の観点からも重要と考えられている。一方で,循環器疾患の発症予防においては,非肥満でも高血圧,高血糖等のリスク保有者への保健指導等の対応が重要である。こうした背景のもとで腹囲基準の適用等は,さらなるエビデンスの蓄積を待って再検討されることとなったが,非肥満のリスク保有者に対しては,特定保健指導の対象に該当しないものの,「肥満・非肥満を問わず,必要な場合は確実に医療機関につなぐ」ことが標準的な健診・保健指導プログラム改訂版に明記された。
HbA1c表記の見直し
24年度から日常臨床の現場において,従来のJDS値から国際標準となっているNGSP値への変更となったことをふまえ,第二期計画では,特定健診などの結果通知および保険者への報告はNGSP値で行うことが確認,合意された。
第二期の目標
29年度までに特定健診,特定保健指導の実施率は70%,45%を維持することとした。医療関係者等の様々な方面から健診受診等の意義をいっそう啓発・周知し,受診勧奨することで実施率の向上を図る。また,メタボリックシンドロームの該当者および予備群の率を,29年度までに20年度対比で25%減少させるとしている。

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