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予防接種の変遷

No.4721 (2014年10月18日発行) P.57

石黒信久 (北海道大学病院感染制御部診療教授)

有賀 正 (海道大学小児科教授)

登録日: 2014-10-18

最終更新日: 2016-10-26

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2004年と14年4月現在の日本の定期/任意予防接種スケジュールの主な違いを概説する(文献1)。
ポリオワクチン:経口生ポリオワクチン(OPV)を使用すると数百万接種に1例発生するワクチン関連性麻痺(VAPP)が大きな問題であった。2012年9月にOPVは単独不活化ポリオワクチン(IPV)に切り替えられ,同年11月にはDPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)にIPVを混合した四種混合ワクチン(DPT-IPV)が導入された。
麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン):2006年4月からは,定期接種の際に使用するワクチンはMRワクチンが原則となった。また,接種回数も同年6月から2回接種(1歳児と小学校入学前1年間の幼児)となった。
インフルエンザ菌b型(Hib),肺炎球菌ワクチン:Hibワクチンは2008年,肺炎球菌ワクチンは10年に導入され,公費助成期間を経て,13年4月より定期接種化された。さらに,同年11月には13価の肺炎球菌ワクチンに切り替えられた。
同時接種:従来,日本国内において同時接種は一般的ではなかったが,Hibや肺炎球菌ワクチンが導入されると乳児期に接種すべきワクチンが増加し,同時接種なしでは必要なワクチンを適切な時期に接種することが難しい状況になった。日本小児科学会では「ワクチンの同時接種は,日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であると考える」という見解を公表している。

【文献】


1) 国立感染症研究所感染症疫学センター.
[http://www.nih.go.jp/niid/ja/vaccine-j.html]

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