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がんと診断されたときからの緩和ケア

No.4745 (2015年04月04日発行) P.54

波多野貴彦 (京都府立医科大学 疼痛・緩和医療学)

細川豊史 (京都府立医科大学 疼痛・緩和医療学教授)

登録日: 2015-04-04

最終更新日: 2016-10-26

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2012(平成24)年6月に見直された「第2期がん対策推進基本計画」において,緩和ケアは「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」として,重点的に取り組むべき課題として掲げられ,より早い時期から適切に緩和ケアを提供していく体制を整備することが求められている。これを受けて,がん診療に関わるすべての医師が緩和ケアについての基本的知識を習得し,がん治療の初期段階から緩和ケアを提供できることを目的とした緩和ケア研修会が全国で継続,開催されている。先立つ2008(平成20)年3月には,がん診療連携拠点病院の整備指針の改定,緩和ケアチーム整備,拠点病院のあり方の見直しがなされ,患者を含めた国民への緩和ケアの普及・啓発を目的としたプロジェクトもスタートしている。
日本緩和医療学会では,診断時から緩和ケアを行うにあたって,(1)患者・家族の心情への配慮とコミュニケーション,(2)適切な情報提供と意思決定支援,(3)苦痛のスクリーニングと適切な症状マネジメント,(4)専門的緩和ケアの利用,(5)患者・家族のニーズに応じた治療・療養の場の選択,の具体的な5つのアクションを提示している(文献1)。
がんは身体的苦痛だけではなく,精神的,経済的,社会的,スピリチュアルな苦痛を伴い,それらの苦痛は診断時から始まっている。そうした苦痛を緩和するために「がんと診断されたときからの緩和ケア」が重要である。

【文献】


1) 日本緩和医療学会:「がんと診断された時からの緩和ケア」とは. 緩和ケア普及啓発に関する手引書. 2014.

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