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喘息の吸入薬:合剤の利便性

No.4747 (2015年04月18日発行) P.51

粒来崇博 (国立病院機構相模原病院アレルギー科医長)

登録日: 2015-04-18

最終更新日: 2016-10-26

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気管支喘息治療の基本は,抗炎症療法による発作予防と発作時の改善の2つである。
慢性期の治療は発作予防のための抗炎症療法が中心であるため,吸入ステロイド薬をいかにきちんと継続できるかが重要であるが,自己中断が多く,現在の電話調査によると,吸入ステロイド薬の普及率は35%程度にとどまる。吸入ステロイド薬は,気道粘膜局所にステロイドが作用し気道炎症を抑制する一方で全身への副作用がなく,気管支喘息治療の第一選択薬として重要な薬剤であるが,(1)即効性がないので患者にとって有効性が実感しにくく継続の動機が弱まりやすい,(2)吸入薬であるため吸入効率に薬効が左右されやすい,の2つの欠点がある。
対策として,吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬の合剤が有効である。本来は発作予防薬である吸入薬が複数あると自己中断につながりやすいために開発された薬剤であるが,気管支拡張薬が合わさることで上記の欠点が解消されやすくなる。すなわち,気管支拡張薬配合なので効果が実感しやすくなること,また,気管支拡張効果により吸入薬剤の分布効率が高くなること,である。また,目立った副作用もない。現在はアドエアR,シムビコートR,レルベアR,フルティフォームRが認可されている。レルベア,フルティフォームは新しい薬剤であるが,2014年12月から長期処方が可能になっている。

【参考】

▼ 日本アレルギー学会 喘息ガイドライン専門部会, 監:喘息予防・管理ガイドライン2012.協和企画, 2012.
▼ 足立 満, 他:アレルギー免疫. 2012;19(10):1562-70.

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