株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

JGL 2015改訂のポイント  【定義が簡素化され,長時間作用性抗コリン薬が新たな喘息長期管理薬に加わった】

No.4796 (2016年03月26日発行) P.45

東田有智 (近畿大学内科(呼吸器・アレルギー内科部門) 教授)

登録日: 2016-03-26

最終更新日: 2016-10-26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

『喘息予防・管理ガイドライン2012』が改訂され,2015年版が発行された(文献1)。以下にその改訂のポイントを記す。
第1章(総論)では,喘息の定義が「気道の慢性炎症を本態とし,臨床症状として変動性を持った気道狭窄(喘鳴,呼吸困難)や咳で特徴付けられる疾患」と簡素化されて理解が容易になった。また,「喘息治療の目標」が7項目から5項目へ整理された。
第2章(疫学)では,喘息死に関するデータは2013年までの内容が反映された。
第4章(病態生理)では,大量のIL-5,IL-13を産生しうる細胞として,グループ2自然リンパ球(ICL2)の関与が追加された。
第7章(薬物療法)では,長時間作用性抗コリン薬(LAMA)が新たな喘息長期管理薬に加わった。また,治療が奏効しない場合の対処法が「難治例への対応」として表と図にまとめられた。診断の見直しや服薬アドヒアランス・吸入手技の確認,増悪因子・合併症の管理が正しいかどうかなど,実地臨床に即した内容である。
第8章(種々の側面)では,喘息の合併症として「好酸球性副鼻腔炎」の画像や診断のフローチャートが追加された。
加えて,2015年版ではCOPDが「合併症」のところに「Asthma-COPD Overlap Syndrome:AC
OS」として独立し,解説が増えた。

【文献】


1) 日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会, 編:喘息予防・管理ガイドライン2015. 協和企画, 2015.

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

公立小浜温泉病院

勤務形態: 常勤
募集科目: 消化器内科 2名、呼吸器内科・循環器内科・腎臓内科(泌尿器科)・消化器外科 各1名
勤務地: 長崎県雲仙市

公立小浜温泉病院は、国より移譲を受けて、雲仙市と南島原市で組織する雲仙・南島原保健組合(一部事務組合)が開設する公設民営病院です。
現在、指定管理者制度により医療法人社団 苑田会様へ病院の管理運営を行っていただいております。
2020年3月に新築移転し、2021年4月に病院名を公立新小浜病院から「公立小浜温泉病院」に変更しました。
6階建で波穏やかな橘湾の眺望を望むデイルームを配置し、夕日が橘湾に沈む様子はすばらしいロケーションとなっております。

当病院は島原半島の二次救急医療中核病院として地域医療を支える充実した病院を目指し、BCR等手術室の整備を行いました。医療から介護までの医療設備等環境は整いました。
2022年4月1日より脳神経外科及び一般外科医の先生に常勤医師として勤務していただくことになりました。消化器内科医、呼吸器内科医、循環器内科医及び外科部門で消化器外科医、整形外科医の先生に常勤医師として勤務していただき地域に信頼される病院を目指し歩んでいただける先生をお待ちしております。
又、地域から強い要望がありました透析業務を2020年4月から開始いたしました。透析数25床の能力を有しています。15床から開始いたしましたが、近隣から増床の要望がありお応えしたいと考えますが、そのためには腎臓内科(泌尿器科)医の先生の勤務が必要不可欠です。お待ちいたしております。

●人口(島原半島二次医療圏の雲仙市、南島原市、島原市):126,764人(令和2年国勢調査)
今後はさらに、少子高齢化に対応した訪問看護、訪問介護、訪問診療体制が求められています。又、地域の特色を生かした温泉療法(古くから湯治場として有名で、泉質は塩泉で温泉熱量は日本一)を取り入れてリハビリ療法を充実させた病院を構築していきたいと考えています。

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top