近年の画像診断技術は目覚ましい発展を遂げており,2次元画像のみならず,3D-CTなど,3次元の画像を診断に用いることも一般的となってきました。また,最近の3Dプリンターの普及に伴い比較的安価に3次元出力が可能となってきました。形成外科領域における3Dプリンター利用の現状と将来の展望について,兵庫医科大学・曽束洋平先生のご教示をお願いします。
【質問者】
松田 健 新潟大学大学院医歯学総合研究科 形成・再建外科学教授
3D立体モデルは光造形法,インクジェット方式,粉末法(石膏や焼結造形),熱溶解積層法等に代表される3Dプリンターにて作製することができます。主に工業分野において製品の設計や試作品の製作などに用いられており,形成外科分野においても,20年以上前から術前後の評価や術中の補助として用いられています。
(1)各方式のメリットとデメリット
方式が複数ある3Dプリンターですが,それぞれメリット・デメリットがあります。
①光造形法:昔からある方式で,複雑な形状でも容易に整形ができます。材料は限定され,強度も弱く,やや高価です。
②インクジェット方式:表面の仕上げが滑らかで複数の素材を選択したり,混合したりすることが可能ですが,これもやや高価です。
③粉末法:石膏であればコストは安いですが,脆いです。
④熱溶解積層法:現在,低価格3Dプリンターの主流となっている方式です。材料はある程度強度があり,積層式なので積層間で階段状になります。非常に安価です。
残り870文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する