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喫煙者の赤血球増加症と白血球増加症の発症機序は? 【同一機序か,異なる機序か】

No.4830 (2016年11月19日発行) P.66

岡田 定 (聖路加国際病院人間ドック科部長)

登録日: 2016-11-15

最終更新日: 2016-11-14

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  • 喫煙者に時にみられる多血症は喫煙による一酸化炭素吸引に基づく炭酸ヘモグロビンが原因とされていますが,好中球増加による白血球増加も時に観察されるのは,この赤血球増加を基礎とするものと解釈してよいですか。
    聖路加国際病院・岡田 定先生にご教示いただけないでしょうか。

    (質問者:兵庫県 T)


    【回答】

    喫煙者にみられる赤血球増加症と白血球増加症は異なる機序で生じると思われます。

    まず,赤血球増加症には3種類あります。赤血球量が絶対的に増加するのが,①真性赤血球増加症と②二次性赤血球増加症です。赤血球が見かけ上増加するのが,③相対的赤血球増加症です。臨床現場でみる赤血球増加症のほとんどは③です。

    相対的赤血球増加症は,循環血漿量が減少することによって生じる見かけ上の赤血球増加症です。急性の原因は脱水(血液濃縮)です。慢性の原因の多くは今回ご質問の喫煙です。その他の慢性の原因として飲酒,肥満,高血圧,ストレス,利尿薬使用などがあります。喫煙によって血管が収縮して循環血漿量が減少することで,相対的赤血球増加症をきたすと考えられます。

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