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個人情報保護法改正に伴う研究指針の改正で要望書 【全国医学部長病院長会議】

No.4831 (2016年11月26日発行) P.15

登録日: 2016-11-22

最終更新日: 2016-11-22

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個人情報保護法改正に伴う医学研究の指針の改正について、全国医学部長病院長会議(新井一会長)は17日、研究が阻害されないよう配慮を求める要望書を文部科学省、厚生労働省、経済産業省に提出した。

改正個人情報保護法(用語解説)が来春施行されるのに伴い、医学研究に関する「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」「遺伝子治療等臨床研究に関する指針」の見直しの議論が三省による「医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議」で進んでいる。改正指針も来春施行の予定。

要望書ではまず、80の医学部・医科大学は、国立、公立、私立があるものの、今回の改正では設立母体ごとに個別の個人情報保護法で規定されることから、設立母体にかかわらず円滑な共同研究が可能になるよう法律間での差を最低限にすることを求めた。

また、「指針が対応する既存の資料や試料情報、医療機関の診療情報、健康診断情報等は貴重な医学研究資源」と指摘し、「円滑に個人情報が取得・利用でき、それを用いた研究が混乱なく進むよう配慮をお願いしたい」と要請した。

なお、研究指針の見直しに関しては日本医学会も今年8月に「研究の停滞を看過できない」と懸念し、慎重な検討を要請している。


【改正個人情報保護法】:情報通信技術の発展による個人情報のグレーゾーン拡大、ビッグデータ、グローバル化に対応するために改正される。改正の柱は、①個人情報の定義の明確化、②適切な規律の下で個人情報等の有用性を確保、③名簿屋対策として個人情報の保護を強化、④個人情報保護委員会の新設─など。

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