【質問者】
伊藤千賀子 Grand Tower Medical Court理事長
微量アルブミン尿あるいは顕性アルブミン尿を呈する糖尿病腎症を合併した患者は,それぞれ全体の約30%,10%を占めます。もちろん,腎不全に至った糖尿病腎症の患者も約3~4%います。さらに,血清クレアチニン(Cr)を用いた推算糸球体濾過量(estimated glomerular filtration rate:eGFR)値が60mL/分/1.73m2以上の正常アルブミン尿の患者も約10%強でみられますので,合計すると半数以上が糖尿病腎症を合併していると言っても過言ではありません。
まず,糖尿病腎症の病期を正確に把握しなければ,重症化予防につなげることはできません。つまり,尿検査によるアルブミン尿の定量と腎機能の把握が必須です。またこの2項目は,経過フォローした際に実践している治療が功を奏し,重症化予防につながっていると判定できる指標となります。
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