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オルソケラトロジーによる近視抑制効果【学童において,眼鏡矯正群より有意に眼軸長の伸長を抑制したとの報告がある】

No.4835 (2016年12月24日発行) P.50

原 祐子 (愛媛大学眼科講師)

登録日: 2016-12-22

最終更新日: 2016-12-14

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文部科学省の最新の調査によると,裸眼視力1.0未満の小学生の割合は30.97%,中学生では54.05%と年々増加の一途をたどっている(平成27年度学校保健統計調査)。特に小学生の近視の割合は30年前の約1.7倍に上り,裸眼視力低下の原因のほとんどを占めている。成長期の近視の進行の主な原因のひとつが眼軸長の伸長である。

近視の矯正方法として最も一般的なのは,眼鏡かコンタクトレンズの装用であるが,レーシックや有水晶体眼内レンズなど,手術による矯正方法も徐々に浸透しつつある。オルソケラトロジーは,2009年に国内でも認可された近視矯正方法で,特殊なデザインのハードコンタクトレンズを就寝時に装用することにより,角膜の形状を意図的に変化させ,日中の裸眼視力を向上させる方法である。

安全に使用するために日本コンタクトレンズ学会からガイドラインが示されている。成人への処方が推奨されているが,小児の近視抑制効果が古くから示唆され,04年に初めて論文として報告された1)。その後,東アジア諸国を中心にいくつかのパイロットスタディが行われ,学童において眼鏡矯正群よりオルソケラトロジー群のほうが有意に眼軸長の伸長を抑制することが報告されている2)。現在,当院でも未成年者に対するオルソケラトロジーの安全性と近視抑制効果に関する治験を行っており,結果が待たれるところである。

【文献】

1) Cheung SW, et al:Optom Vis Sci. 2004:81(9): 653-6.

2) Cho P, et al:Curr Eye Res. 2005;30(1):71-80.

【解説】

原 祐子 愛媛大学眼科講師

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