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強度近視における黄斑網膜分離症の病期に応じた治療方法選択のポイント 【網膜分離,合併症状の有無等から重症度を判断。手術は積極的に検討】

No.4838 (2017年01月14日発行) P.58

稗田 牧 (京都府立医科大学眼科講師)

島田典明 (東京医科歯科大学眼科学教室)

登録日: 2017-01-12

最終更新日: 2018-11-27

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  • 強度近視はわが国における失明原因の上位を占める疾患です。光干渉断層検査の進歩により,強度近視網膜分離症の病期の理解が進み,治療の考え方も大きく変化しているように思います。強度近視における黄斑網膜分離症の病期に応じた治療方法選択のポイントについて,東京医科歯科大学の島田典明先生にご教示をお願いします。

    【質問者】

    稗田 牧 京都府立医科大学眼科講師


    【回答】

    強度近視における黄斑網膜分離症は,黄斑円孔や黄斑円孔網膜剝離の前駆病変として重要です。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の登場により,適切な時期に手術加療を行うことで,黄斑円孔や黄斑円孔網膜剝離への進展を予防することが徐々に可能になってきました。

    (1)分類
    まず,①OCT所見によって,網膜分離の有無または範囲によりS0(網膜分離なし),S1(中心窩以外の網膜分離),S2(中心窩内の網膜分離),S3(S1+S2でS4に至っていないもの),S4(黄斑全域の網膜分離)に分類し,②次に黄斑前膜,硝子体黄斑牽引,黄斑部網膜剝離,内層分層黄斑円孔,全層黄斑円孔の合併病変の有無により分類します。③さらに黄斑部網膜剝離については,網膜分離のみの状態から黄斑部の網膜外層の乱れ,あるいは厚みの上昇が認められるstage1,同部位に外層分層黄斑円孔が生じるstage2,その分層円孔が内方に拡大したように見え,網膜分離と剝離が共存するstage3,分層円孔の端の網膜外層が網膜内層に癒着しているように見えるstage4の4つに分類します。

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