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国民医療費の算出法とその内訳は?【保険給付費,公費負担医療費,自己負担分を合算】

No.4838 (2017年01月14日発行) P.62

佐藤 弥 (山梨大学大学院総合研究部地域医療学講座教授)

登録日: 2017-01-11

最終更新日: 2017-01-10

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  • 年に1回,厚生労働省から「国民医療費」が発表され,2014年度は約40兆円とのことですが,これはどのようにして算出されているのでしょうか。国民が医療機関で払う1割,3割負担分のことなのか,それとも10割として算定しているのでしょうか。ドラッグストアで個人が買う風邪薬も含まれているのか,社保,国保の保険料,人間ドック等の費用は関係ないのかについても併せて。

    (質問者:東京都S)


    【回答】

    「国民医療費」は,当該年度内の「医療機関における」医療保険制度等による給付,後期高齢者医療制度や公費負担医療制度による給付,これに伴う患者の一部負担等によって支払われた医療費を合算したものです。厚生労働省は,診療報酬の審査支払機関で扱った医療費を集計し,国民医療費とほぼ同額になる概算医療費を「概況」として報告しています。最新の推計は2014年度(2年前のデータ)の推計であり,厚生労働省のホームページにその概要が報告されています。

    この費用には,医科診療や歯科診療にかかる診療費,薬局調剤医療費,入院時食事・生活医療費,訪問看護医療費等が含まれます。なお,保険診療の対象とならない評価療養〔先進医療(高度医療を含む)等〕,選定療養(入院時室料差額分,歯科差額分等)および不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含まれません。また,傷病の治療費に限っているため,①正常な妊娠・分娩に要する費用,②健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用,③固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まれません1)

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