抗インフルエンザウイルス薬・オセルタミビルリン酸塩(タミフルⓇドライシロップ3%)の1歳未満児への使用が厚生労働省検討会議において「公知申請を行っても差し支えない」と判断され,保険適用にもなりました。ただ,治療に用いる用量が従来の幼小児への1.5倍の投与量と決まったようですが,これはどうしてでしょうか。慶應義塾大学・新庄正宜先生にご教示をお願いします。
(質問者:群馬県 M)
承認された投与量が,公知申請(0歳児)と従来(1歳以上)とで異なるためです。
公知申請では,「欧米等6カ国(米国・英国・ドイツ・フランス・カナダ・オーストラリア)のいずれかの国で,一定のエビデンスに基づき,特定の用法・用量で広く使用されていることが確認できる適応であって,医療上その必要性が高いもの」1)に関する要望の公募実施を行うことにより,いわゆる治験等を行わずに,効能または効果等の承認が可能となります。このため,用法・用量も欧米等の記載に従います。
今回,本薬剤の対象は0歳児(新生児,乳児)でしたが,1歳以上の児においては既に国内で承認されています。よって,0歳児には米国で承認された1回3mg/kg,1日2回(公知申請),1歳以上の小児には既に承認されている1回2mg/kg,1日2回(従来の投与法の適用)となります(表1)2)3)。
残り1,017文字あります
会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する