政府は17日、医療分野の優れた研究開発事例を顕彰する「日本医療研究開発大賞」の創設を盛り込んだ「健康・医療戦略」の改訂を閣議決定した。
同大賞は昨年、日本医師会の横倉義武会長が安倍晋三首相と面会した際に提案したもの。大学、公的研究機関、企業等における医療分野の研究開発やその成果の実用化において、画期的・重要な成果を収めたり、先導的な取り組みを行うなど、研究開発の推進に多大な貢献をした事例に関し、顕著な功績があったと認められる個人・団体を表彰する。
表彰の対象者は、関係府省・日本医療研究開発機構(AMED)が推薦した候補者の中から、内閣官房の指名した識者による選考委員会の意見を踏まえ、健康・医療戦略本部長(内閣総理大臣)と同副本部長(同官房長官)が選定する。表彰は年1回で、「極めて顕著な功績」については総理大臣が、「特に顕著な功績」については官房長官が表彰する。
今回の「健康・医療戦略」改訂では、対象期間を従来の「2019年3月末」から「20年3月」まで1年延長。健康・医療分野の研究開発推進に向けては、①臨床現場で見出した課題を基礎研究に戻す「循環型研究開発」、②産学官連携、③データの共有と広域連携―の強化を打ち出している。ICT活用の促進に関する記述も大幅に追記。治療・検査・介護等のビッグデータを収集・管理・匿名化し、利活用するための新たな基盤を、法整備などを通じて構築し、創薬や治療法開発につなげるとしている。