厚生労働省のがん対策推進協議会は2月23日、受動喫煙の完全防止に向けて飲食店などをすべて屋内禁煙とする法案の成立を求める意見書をまとめ、塩崎恭久厚労相に手交した。
厚労省は受動喫煙防止対策を強化するため、飲食店などを「原則屋内禁煙(喫煙室の設置は可能)」とする健康増進法改正案を今通常国会に提出することを目指している。しかし、飲食店の経営への影響を懸念して改正案に反対する声や、小規模店舗を対象に例外を設けるべきとの声があり、自民党内での調整が難航している。
意見書では、受動喫煙が原因で年間約1万5000人が死亡しているという国立がん研究センターの推計などを紹介した上で、「防ぐことができる受動喫煙で疾患のリスクを上げている現状を看過することはできない」と強調。がん予防の観点から、飲食店を含む不特定多数の人が集まる場所での受動喫煙をゼロにするため、屋内禁煙を基本とした実効性のある法的措置を講じるよう求めている。