松沢成文参議院議員(無所属)が25日、都内で開かれた国際結核肺疾患予防連合アジア太平洋地域学術大会(APRC)のシンポジウムに登壇し、罰則付き受動喫煙防止対策を盛り込んだ健康増進法改正案を巡る状況について講演した。松沢氏は「自民党たばこ議連案は穴だらけ。法案をまとめようとして厚労省案と足して2で割るような妥協をすれば、全く実効性がなくなる」と強調した。
講演で松沢氏は、小規模店舗を除く飲食店や公共施設を原則屋内禁煙とする厚労省案に賛意を表明。一方、自民党たばこ議連の対案については、飲食店に喫煙、分煙、禁煙から選択させ表示を義務づける点や、事務所(職場)を規制対象外としている点を問題視した。
松沢氏はまた、「この法案は健康の問題。党で決めるのはおかしい」とし、法案採決時には1997年に成立した臓器移植法と同様に「党議拘束を外すべき」と提案。「そうすれば議員の大半は厚労省案に賛成する」と述べた。法案の国会提出状況については、「5~6月の国会で焦点となるだろう」との見方を示した。
シンポではこのほか、ユミ・オウ氏(韓国国立たばこ対策センター)が、韓国では2018年のピョンチャン五輪に向けて、2015年に公共施設と教育施設の屋内禁煙を定めた法律を制定したことを紹介。柏原美那氏 (世界保健機関西太平洋地域事務局)は「西太平洋でたばこのない綺麗な空気を吸う権利が保障されていないのは、(ポリネシアの島国)ニウエ島と日本だけ」と指摘した。