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(2)抗インフルエンザ薬の使い方─抗菌薬併用の適応を含めて [特集:そこが知りたい!インフルエンザ診療]

No.4728 (2014年12月06日発行) P.30

三木 誠 (仙台赤十字病院呼吸器内科部長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-16

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  • インフルエンザのハイリスク群を含む,重症化や死亡を阻止したい症例すべてに対して,抗インフルエンザ薬を積極的に用いるべきである

    抗インフルエンザ薬は,ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬のオセルタミビル(タミフル),ザナミビル(リレンザ),ラニナミビル(イナビル),ペラミビル(ラピアクタ)の4剤から,その特徴や患者の状態に応じて選択する

    膿性痰,白血球高値,胸部画像で肺野に陰影を認める患者では,(二次性)細菌性肺炎を疑い抗菌薬を併用する

    1. インフルエンザ診療における抗インフルエンザ薬の適応検討

    インフルエンザは,オルソミクスウイルス科に属するインフルエンザウイルスの気道系を中心とした感染症である。普通感冒と比較して症状が重く,重症者は死亡する可能性があり,潜伏期が1~3日と短いため流行期には急速な感染拡大が懸念される。
    一番重要な所見はバイタルサインである。特に血圧低下,意識障害,SpO2低下を認める場合ならびに経口摂取困難患者は,入院治療とすべきである。
    インフルエンザを含むほとんどのウイルス感染症は,宿主免疫によって特異抗体が産生されれば軽快・治癒する。しかし,初診時に予後を見きわめる完璧な方法はなく,インフルエンザの中には重症化する症例も存在する。表1に(季節性)インフルエンザのハイリスク群を示す1)。これらの患者を含み,重症化や死亡を阻止したい症例すべてに対して,抗インフルエンザ薬を積極的に用いるべきである2)。なお,発症48時間以内,可能な限り36時間以内に投与開始しないとその効果は保証できない。
    本稿では,抗インフルエンザ薬ならびに続発する肺炎に対する抗菌薬の正しい選び方について解説する。

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