緑内障手術は眼圧を下降することを目的としている
濾過手術は十分な眼圧下降が得られる術式であるが,術後管理が煩雑で濾過胞関連感染症の発症に注意が必要である
房水流出路再建術は術後管理の必要がなく,術後合併症も少なく,安全な手術とされるが,術後眼圧は高めとなる
緑内障チューブシャント手術はわが国では臨床データが少なく,今後,合併症の発症頻度や長期予後を検討する必要があるが,緑内障手術のオプションとして取り入れられていくこととなるであろう
緑内障治療の目的は患者の視機能を維持することであり,緑内障に対するエビデンスに基づく唯一の確実な治療法は眼圧を下降することである。
緑内障治療には薬物治療,レーザー治療,手術治療の選択肢があり,一般的に,眼圧コントロールに多剤(3剤以上)を要する場合にはレーザー治療や観血的手術を考慮する必要がある。
緑内障手術は,基本的には房水を結膜下に濾過する濾過手術と房水流出抵抗を取り除く房水流出路再建術にわかれる。わが国では欧米で使用されていたインプラント手術(現在のチューブシャント手術)の導入が非常に遅れたが,近年ようやく数種類のインプラントが使用可能となった。
本稿では,緑内障手術の歴史を振り返るとともに,今後の緑内障手術の新たな話題について解説する。
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