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造血幹細胞移植前のモガムリズマブの適応【化学療法抵抗性のATL例。末梢血主体のATLでは著効例も少なくない】

No.4852 (2017年04月22日発行) P.57

楠本 茂 (名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学講師)

藤 重夫 (大阪国際がんセンター血液内科医長)

登録日: 2017-04-19

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  • 成人T細胞白血病リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma:ATL)の同種造血幹細胞移植療法は,根治を期待できる治療法ですが,最近になり,抗CCR4モノクローナル抗体であるモガムリズマブの移植前投与は,移植成績に影響を与えることが報告されました1)
    移植前のモガムリズマブの対象や投与方法について,現在の問題点と今後の展望を含め,大阪国際がんセンター・藤 重夫先生にご教示のほどよろしくお願いします。

    【質問者】

    楠本 茂 名古屋市立大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学講師


    【回答】

    アグレッシブATLには,同種造血幹細胞移植が標準的な治療のひとつとして勧められますが,その成績は依然として満足のいくものではありません。その治療成績を向上させる手段として抗CCR4抗体に期待が持たれましたが,当院単施設および全国調査においても,同種移植前に抗CCR4抗体を投与した例のほうが投与していない例に比べて,重症の移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)発症率が有意に高く,非再発死亡が増加することで生存率においても有意に低いという結果でした1)。後方視的な検討ですのでバイアスがある点には注意が必要ですが,そのメカニズムは以下のように考えられます。

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